秋の榛名神社と伊香保温泉

から2日間の旅

■榛名神社 (JR長野・北陸新幹線 安中榛名駅から タクシーで約30分)

第一日目。
台風や低気圧の接近が心配だったのですが、早朝から天気は快晴。
現地も最高気温23度と暑いくらいの気温で、綿のタートルとパーカーで過ごせる陽気でした。
到着して早速、周囲を囲む山々を見渡すと、錦織のような紅葉が見頃な事!

■隋神門(仁王門)

榛名神社は、1400年前から続き上野国でも十二社に数えられる由緒ある神社。
火産霊神と埴山毘売神という火と土の神様を祀っています。
鎮火の神様繋がりでか、参道脇に秋葉神社の朱い鳥居も発見。
他にも賽の神を始めとした小さな御社が、参道に沿っていくつも立ち並んでいました。

■禊橋・榛名川

凝りに凝った彫刻が施された門や三重塔など、1700~1800年代に再建された建造物もさる事ながら。
その素晴らしさをまた際立たせているのが、圧倒的な自然の造形の数々。
最初の山門をくぐって禊橋を渡った所から、榛名川に沿って延々と続く木漏れ日溢れる緑豊かな参道。
そこから時たま見下ろす渓谷の美しさ。

■石段・矢立杉

そして、二番目の鳥居のあたりから露わになってくる巨岩が連なる圧倒的迫力!
透明な空気と湧き水をたくさん吸い込んで育った、矢立て杉の背の高さ。

御水屋(手水)

瓶子の滝(みすずのたき)正面

御水屋・瓶子の滝(見下ろす)

双竜門(上り)

双竜門(下り)

■本殿・御姿岩・神楽殿

何より、本殿の背後。
社殿がそこにめり込むように建つ御姿岩。
天を突くこの巌こそ、榛名神社の本尊というから驚きです。

本殿屋根

本殿周囲

■参道(帰り道)

そういえば、ここの神社。
おみくじがよく当たるとの評判を聞いていたので、帰りに是非引いて行こうと思っていたのですが…
見事に引きそびれました。orz
てっきり、水琴窟にある開運灯篭で出来るものだと勘違いしてしまったんですが…
おみくじ自体は、本殿で売ってたんですね。(汗)
それを水琴窟の水で浮かび上がらせ、開運灯篭に入れて回すと…。
説明は、本当によく読まなければと反省しました。(笑)
もしこれから訪れる方は、どうか参考までに。是非ご注意下さい。

■門前町 (群馬バス 榛名神社前から すぐ)

鳥居を出ると、参道に沿ってたくさんの施設が軒を連ねています。
元は神仏習合時代の宿坊だった所を商店にして現在まで続いているとか。

ちょうど一時近かったので、お婆ちゃんが元気に呼び込みをしていた(笑)大龍坊で昼食を。
この辺りは門前蕎麦が名物なのですが、手打ちのお店と乾麺のお店が両方あるそうで。
手打ちを食べたい方。お店に入る前に幟や看板でよく確認を、とはタクシーの運転手さんのアドバイス。(笑)
今回入った大龍は、ざる蕎麦800円、山菜の天麩羅付き蕎麦1100円なのですが、これにもれなく自家製野菜の前菜付き。
しかも、これがなかなかの食べ応え!(右下写真)

お腹も一杯になったので、行きに荷物を預かってもらえた歴史資料館へ。
帰りに立ち寄る約束をしていたのですが、地元の郷土史のみならず、小栗上野介のアメリカ土産など意外な展示品も見応えがありました。
もう少しゆっくり見学したかったのですが、バスが来る時間になってしまったので早々にバス停へ。
ちなみに、バスは一時間に一本、毎時間40分発です。

資料館の斜め向かい奥には、高崎大学の学生さんがお手製のパンフレットを置いている観光案内所などもあります。
豆腐料理のお店・菊水亭の駐車場のかなり奥にある黒い和風の建物です。

あと、行きに冷たいお茶を買った三杉屋さんは、小さいペットボトルが一本百円と、とても良心的でした。

■榛名湖 (群馬バス 榛名神社前から バスで15分)

榛名神社前からバスに揺られて、終点の榛名湖へ。
午後も三時近くになり、青空に灰色の雲が出てきました。
榛名富士のロープウェイに乗る予定でしたが、予想外の曇りと混雑を見て中止。
待ち時間の十五分(実質二十分)の間に、湖畔の穏やかな景色をのんびり堪能しました。

ここでバスを乗り換え、今宵の宿となる伊香保温泉へ。
榛名神社(若しくは榛名湖)から、伊香保温泉へ行く場合。
PM12:55~14:55(榛名湖 着)の時間帯が、乗り越えの連絡に一番待ち時間が少なくてお勧めです。

そういえば、榛名湖近くには、信長に敗れた勝頼が一族と共に自害した武田家終焉の地・天目山があるそうです。
榛名神社の矢立杉で父・信玄が箕輪城攻略前に戦勝祈願をしている事を思うと、戦国大名・武田家にとっては因果な土地なのかもしれません。

■伊香保温泉 (群北第一交通 榛名湖から 伊香保バスターミナルまで バスで約38分)

車が少し混んでいたので、山間を蛇行する道路をゆっくりと下って伊香保へ。
すっかり曇り空になり、小雨がパラつき始めた夕方。
ふと外を見ると…窓越しには、何とも見事な雲海が一面に広がっていました!
瀬戸内海の島影のような光景に、思わず山に居る事を忘れてしまいそうな心境になりました。
バスの中でも、この景色に気付いた人たちから歓声が上がり「今回の旅で一番の眺めね」との声も。(笑)
天気が崩れたが故の嬉しいサプライズでした♪

■河鹿橋 (伊香保温泉街 古久家から 徒歩で約20分)

宿にチェックインした後、小雨が降る中、折りたたみ傘を手に河鹿橋へ。
お目当ては、朱塗の橋と紅葉を照らすライトアップ!
開催期間は、十月二十日から十一月二十三日の連日、午後四時半から十時半まで。
温泉街を上へ上へと延々登り、伊香保神社と薬師堂の前を通り抜け、渓谷を見下ろす道をひたすら歩けば目的地。

まだ五時前でしたが、雨のおかげか早くも夜の帳が降り、たくさんの観光客で賑わっていました。
暗がりに照らし出された朱色の橋と色付いた楓の赤の饗宴が美しい事!
この河鹿橋。すぐ隣には紅葉橋というコンクリートの橋がもう一本架けてあって、二重の橋のようになっています。
そこから、河鹿橋と紅葉そして渓流を見下ろすショットもまた良い感じです。

河鹿橋の先。橋本ホテルの向こうにもう五分ほど足を伸ばすと、伊香保の源泉があり、飲泉所や立ち寄り露天風呂もあります。

■古久家 (伊香保温泉街 伊香保バスターミナルから 徒歩で約1分)

夕食前に温泉で汗を流したかったので、時間に間に合うよう宿へ。
温泉街のほぼ中央に位置する旅館『古久家』さんです。
到着した時はチェックイン早々、和琴の生演奏で雅な雰囲気が流れる中、ロビーで抹茶と茶菓子のおもてなし!
プランによっては、女性の方におしゃれ浴衣の無料レンタルもあり、夕食前にお願いすれば仲居さんが丁寧に着付けてくれます。

河鹿橋から戻り、軽く一風呂浴びて浴衣に着替えたら、お待ち兼ねの夕食へ。
これが、きれいな盛り付けと大満足の食べ応えで驚きました!(左下写真)
食前酒の梅酒と和風の前菜から始まって、和風マリネ、味噌田楽、トロ蒟蒻と湯葉刺入りお造り、上州牛のすき焼、茶碗蒸し、煮物、
炊きたての麦とろ飯、焼き魚、お椀うどん、杏仁豆腐etc…と書ききれないほどのボリューム!

朝食も同様に、熱々の味噌汁に炊きたてのご飯と豊富な種類のおかず。(右下写真)
旅行の疲れでいつもより空腹だったのか、朝夕共に気がついたら普段はしないおかわりまでしてしまいました。(笑)

お食事処から部屋に戻って一休みしたあと、露天風呂へ。
小雨が降ったり止んだりの中でしたが、せっかくだし問題なしと見て入浴決行。
湯も温かく、竹塀のひさしの下に寄ってタオルを頭に乗せた雨避け対策もして、何ら問題なく入浴出来ました。
欲を言えば、ひさしがもう少し広ければ、本当言うことなしだったのですが。(笑)
しかし、浴場の入り口に冷たいお茶がセルフサービスで飲めるようになっていたりと、細かい気配りが嬉しかったですね。

何より、スタッフの皆さんがとても丁寧で親切!
館内の掃除も行き届いていて、お部屋から大浴場までとても気持ちよく過ごすことが出来ました♪
湯の花豊富な黄金の湯を源泉かけ流しで堪能出来る、明治創業の老舗旅館。
これからも、温泉・お部屋・お料理・接客と創意工夫を続けて、良い宿であり続けて欲しいです。(^^)

■見晴駅 (不如帰駅から ロープウェイで約4分)

二日目。
昨夜の雨模様からは信じられない事に、朝は晴れ!
窓から榛名の山々と紅葉を堪能出来た良い朝風呂になりました♪
ですが、仲居さんによると「山の天気は変わりやすいので、天気が保つのは午前中一杯でしょう」とのアドバイス。
という訳で、「天気が良いうちに」と、朝食を終えたら早々に身支度を整えて出発。
宿からバスターミナルを挟んで斜め向かいに立つロープウェイの駅へ。

ロープウェイ乗り場は不如帰駅といい、駅名は伊香保所縁の明治の作家・徳富蘆花の小説からきているとか。
駅舎は最近建て替えられたらしく、まだ新しくきれい!観光案内所や展示室、駐車場も兼ねています。
AM8:40~10までは10分おき、AM10:00~PM17:15(最終)までは15分おきの運行。往復800円、片道480円です。

車内はそれなりの広さで、窓も大きく、ぐんぐん登っていくごとに視界が開けていきます。
斜面にも赤や黄色、オレンジに色付いた木々がいくつも生えてました。
数分で見晴駅に到着。
降りた一体は上ノ山公園というそうで、ここも真っ赤な楓や黄金色の銀杏がきれいでした。
そんな落ち葉の絨毯を踏みしめながら、坂を上って5分ほどの見晴台へ。
西側からものすごい量の雲と霧が迫ってきていたものの、正面から東側はまだよく晴れていて、遠くの山並みまで見渡すことが出来ました。
ここは撮影スポットでもあるらしく、本格的なカメラと三脚を携えて来る人も多く居ました。

天気が変わり切ってしまう前に温泉街へ戻るべく、公園から伸びる遊歩道を伊香保神社方面へ。
下り道ですが、かなり急な階段が続くので膝にご注意を。私も右膝が笑いかけました。(汗)

■伊香保神社 (見晴台公園から 徒歩で約20分)

温泉街の屋根が近づき、程なくして伊香保神社の脇道に出ました。
石段街の最上部にあるこの素朴な神社は、825年創建の伊香保温泉の鎮守社。
祭神は、大己貴命こと大国主命と少彦名命。
温泉と医療の神様として信仰を集めたそうですが、すぐ下にある薬師堂と地境で争ったとか。
その結果、石段は伊香保神社が独占。薬師堂は伊香保神社の摂社になったそうです。
現在の社殿は、明治十一年に焼失してしまったのを再建した仮殿です。

■薬師堂 (伊香保神社から 石段下り 徒歩で約1分)

伊香保神社の鳥居を出てから下ってすぐ左に入ると、駐車場の向こうに小さなお堂が。
ここが薬師堂。
その名の通り、薬師如来を本尊としていて、やはり医療にご利益があるとか。
温泉寺の管轄だった伊香保神社に対して医王寺の管理下にあったそうです。
伊香保最後の日という事もあり、旅の無事を御礼してお参りしていきました。

■勝月堂 (薬師堂の斜め向かい 伊香保神社から 徒歩で約1分)

お土産に伊香保名物・湯乃花饅頭を買いました。
明治後期に、地元の名物を作ろうとして出来たのが始まりだとか。
今では全国で定番の温泉まんじゅうは、ここが元祖だそうです。
保存料不使用にこだわった(賞味期限はなんと翌日中!)勝月堂の他に、献上品を出した事もある寿屋や、自家製餡が自慢の清芳亭なども人気。
後者二店は、勝月堂に比べてお値段も少しお得です。

宿に戻り、特典のコーヒー券でコーヒーをいただいて温まったあと、荷物をまとめてチェックアウト。
バスが来るまでに冷たい雨が強くなってきて、万一のためにと持ってきたダウンとマフラー&手袋が大いに役立ちました。
「山の天気は変わりやすい」とはよく言ったもので、宿の人にも教えていただいた通りの寒暖の大差!
正直荷物にはなるのですが、暑い日用と寒い日用、両方の服を一式ずつ持っていく事をお勧めします。
少なくとも、私は重たい思いをしたおかげで、風邪を引く事態を免れました。(笑)

帰路は、伊香保バスターミナルから渋川駅にバスで下り、ローカル線で高崎駅へ。
そこから東京行きの新幹線に乗って、四時前には帰り着く事が出来ました。
帰宅後、早速湯乃花饅頭に舌鼓を打ち、最初から最後まで大満足の旅でした!\(^▽^)/

■かのうや別邸 ・そらの庭&YADOダイニング・風の谷 (伊香保神社 裏手の道から徒歩で約5分)

おまけ。
河鹿橋への通りがかりに見つけた一角。素敵な玄関だったもので、思わずパチリ。

あとで調べてみた所、旅館「かのうや」さん直営のフレンチダイニングのようです。
PM12:00~16:30までのランチタイムとティータイムは、宿泊していなくても立ち寄りで楽しめるとか。

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