■塩釜神社 ・ 志波彦神社 (JR仙石線 本塩釜駅から 徒歩で約15分)
第一日目。
天気は快晴。暑いくらいの気温で、過ごしやすい陽気でした。
塩釜神社は志波彦神社と隣接していて、手前が志波彦、奥が塩釜の本堂となってます。
表参道から正面のそびえるような石段も良いですが、のんびり散策したい方は東参道がお勧め。
駅に近い方にある、そっけないくらいの石造りの鳥居が入り口。
住宅街の隙間を縫うように、幅広のなだらかな石段が延々と続いている道です。
両脇の木々と石畳がまたのどかで良い眺めなのです。
両神社の中間の駐車場からは、仙台湾が見渡せます。
――震災前の風景――
■瑞巌寺 (JR仙石線 松島海岸駅から 徒歩で約5分)
快晴だったのが、夕方になるにつれて曇り気味に。気温も低下で、ちっとさぶかったッス。
松島湾を右手に歩いていくと、国宝・瑞巌寺への入り口が。
杉林の参道を延々と行けば、京都の天竜寺と瓜二つな本堂に辿り着きます。実際、京の職人を招いて作らせた寺だそうです。
書斎や家来たちの控え室など大小様々な部屋があり、その一つ一つの造りが天井の組み木から、襖の絵まで全て違う凝りよう。
その中でも、やはり特に豪華なのが藩主の部屋。明治初期には、全国行幸途中の明治天皇が宿泊した事もあったとか。
ちなみに、門の両側には紅白の梅が植えられてるので、シーズンに行けば花が観られるかもしれません。
素朴で質素な渋い雰囲気が良い古刹でした。
■奥松島 (JR仙石線 野蒜駅)
二日目。
天気予報を裏切って、またもや真夏日のような快晴。
映画の撮影にも使われたという余景の松原を延々と貫く道を突き当たり、野蒜海水浴場に沿った道に出ました。
あとは、遊覧船乗り場まで、波音を聞きながら海岸線をひたすら歩く歩く。
船着場で十人乗りくらいの小型遊覧船に乗ると、日本三大渓の一つ、嵯峨渓を四十分かけて海からぐるっと回りました。
波の上を跳ねるようなスリリングな乗り心地と、荒波や風雨に浸食されてできた海蝕崖は見物です。
船がかなりのスピードを出していたため、カメラ紛失を考慮して、撮影は自粛。スミマセン。(汗)
さらに道路を延々と歩いて、松島湾内で最大の島、宮戸島のほぼ中央にある小高い丘へ。
丘といっても、傾斜はかなり急なので、足に自信のない方は、ご注意くださいませ。
松島四大観随一の大高森。
頂上からは蔵王、栗駒山、石巻湾、金華山までのパノラマが望めます。
■五大堂 (JR仙石線 松島海岸駅から 徒歩で約8分)
弁天島に浮かぶ五大堂。
あの坂上田村麻呂が蝦夷征伐の時、毘沙門堂を建立したのが最初だとか。そういえば、仙台には多賀城址もありました。
東北って、昔から大変な目に遭ってるんですよねぇ…。アテルイ然り、奥州藤原氏然り、奥羽覇権争い然り、戊辰戦争然り。
東北の人たちが純朴なだけに、あこぎな都人がちょっぴり憎い。(笑)
それはともかく、この五大堂は周囲に彫られた干支の彫刻が、個人的にお勧め。
卯や亥なんて可愛くて!午が看板の陰に隠れてしまってるが、残念なんですけどね。勿体無い。
■観覧亭 (JR仙石線 松島海岸駅から 徒歩で約4分)
建物は、豊臣秀吉から伊達政宗が拝領した伏見桃山城の一棟を二代藩主が移築したとか。
観覧亭では、抹茶セットが販売されてました。松島湾を臨みながら一服したい方は、是非。
裏手の縁側では、奥の細道に因んで、地元誌が松島をテーマにした旅の俳句を募集してました。
あと、外には唱歌「どんぐりころころ」の碑があります。
作詞者の青木氏は、松島出身だったんですねー。知らなかった。
その彼が、文部省在職中の大正年間に故郷を思い出して作詞したのだとか。
■円通院 (JR仙石線 松島海岸駅から 徒歩で約5分)
瑞巌寺の西隣にある円通院は、伊達家二代藩主の次男の墓所。
ここは、庭園が大変素晴らしいので、半日くらいかけて、ゆっくり見学する事をお勧めします。
ちなみに、松島では今年の10月28日から11月19日の午後五時半から午後九時まで、瑞巌寺、円通院、観瀾亭をライトアップするイベントがありました。
ラッキーな事にその最中に行った私は、ホテルで話しを聞き、興味半分に見に行ってみました。
そうしたら、これが最高でした!今回の旅で最高の眺め!
特に円通院の庭は、まさに幽玄の世界。
地元で先生をしているという方が、水干をまとって、「逆さ紅葉」映る池の畔で、横笛の生演奏を披露。
庭の木々と光と音が絶妙に調和する様を間近にして、心底シビレました!
で、なぜそんな素晴らしい体験の写真がないのかというと…
持って行ったのが、夜の撮影が出来ないタイプのカメラだったからです。お見せできないのが、残念無念。(涙)
と、いう訳で、せめて一句。
星影の 枯山水にふる 紅葉
■瑞鳳殿 (JR仙石線 仙台駅から タクシーで約10分)
三日目は、朝から雨。
雨中の仙台市内観光でした。
瑞鳳殿は、斜面に造られてるので、移動には石段がかなり長いです。
林の中の石段に雨っていうのも、なかなか風流でしたけどね。市内であれほどの緑地があるとは、「杜の都」の名に偽りなしですな。
まずは、一番下の瑞鳳寺へ。
こぢんまりしたシンプルなお堂ですが、そこはかとなく鬱蒼とした木々が、なかなか良かったです。
石段を登って行くと、メインの瑞鳳殿。
七十歳で生涯を閉じた初代仙台藩主、伊達政宗の霊廟です。
豪華絢爛、煌びやかな威容は、政宗らしい趣味ですな。何たって、「伊達男」ですから。(笑)
本物は昭和六年に国宝にまで指定されてましたが、昭和二十年の仙台空襲で灰燼に帰したそうで、現在の本殿は昭和五十九年に復元したものだそうです。
勿体無い…。やっぱり、戦争はいかんですな。
善応堂や感仙堂は補修中で、ビニールシート越しの見学となりました。
その最中、突然の雷に肝を潰しました。
雷神(なるかみ)の 杜の都に したる雨
※「瑞宝」ではなく、「瑞鳳」です。誤植でスミマセン。
■仙台城 (JR仙台駅から「るーぷる仙台」バスで20分)
仙台といえば、青葉城址は外せません。
登ってみると、その高さにびっくりしました。
展望台なみの高さ。仙台市内が、本当によく遠くまで見渡せました。
石垣といい、青葉山と広瀬川の立地条件といい、これはもう立派な山城。要塞ですよ。
仙台城下のどこから敵が侵入しても見渡せる高さと、広瀬川を利用した天然の堀、そして姫路城の如き城内の道行きなどなど。
政宗がギリギリまで天下を狙い続けていた証の一つですな。恐るべし、独眼竜…。
政宗の騎馬像の奥には陸軍師団の慰霊塔、そして山の中腹には護国神社。
そういえば、航空自衛隊の松島基地があったんでした。
観光中、松島でも何度か爆音が耳に入りましたが、とうとうFの勇姿を拝めるとは。
■輪王寺 (JR仙台駅から市バスで25分 「輪王寺前」下車)
最後は、重要文化財にも指定されてる輪王寺です。
山門と石段は工事中でしたが、庭園は公開されてました。
市内のため、面積自体はさほどでもないのですが、工夫されたコースで、とても歩きがいのある庭園です。