2007年、群馬県みどり市笠懸小学校の「六年生の卒業を祝う会」にて生徒さんの群読に使用して戴きました。
大切な節目の行事に花を添える事が出来て、大変嬉しく思います。拙作を採用して戴き、ありがとうございました!

一粒の種

人は 一粒の種
土という世界に抱(いだ)かれ 水という愛情で芽吹き
光という幸福で育ち 風という困難で身を傷め
実りという結果を得る
渇ききった土(せかい)では 種は乾涸び
水びたしの土(せかい)では 種は朽ちる
足りない水(あい)では 種は乾涸び
多すぎる水(あい)では 種は朽ちる
弱すぎる光(こうふく)では 穂はしおれ
強すぎる光(こうふく)では 穂は乾涸びる
弱すぎる風(こんなん)では 穂は立たず
強すぎる風(こんなん)では 穂は折れる
一粒の種から 一本の穂へ
すべての種が 穂になれるでもなく
すべての穂が 種を残せるでもなく
実を結ぶもの 結べないもの
芽吹くことさえ できなかったもの
それぞれの実り それぞれの結果を向かえ
穂は 大きなうねりとなって 大地を埋め尽くす
幾千幾万の穂が たなびく
幾千幾万の人が 寄り添う
穂が 波を立てる
人が 鼓動を刻む
大地は 生きている
世界は 生きている
すべては 受け継がれていく 命の躍動

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